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歴史的な超低金利状態が長引き株価も低迷するなかで、個人法人を問わず魅力的な運用商品が求められており、運用商品の数や種類はどんどん増えてきている。 たとえば3月に25本もの公募投資信託が新規に設定されたが、ほぼ一日に1本のペースである。
状況のもとで、株式債券といった伝統的資産とは無関係にリターンを獲得できるオルタナティプ投資への関心が高まっている。 ただ、投資家のニーズは一様ではなく、ハイリスクハイリターンを求める投資家もいればローリスクローリターンでよいという投資家もおり、多様化する投資家ニーズに合わせて、さまざまな資産と膨大な数の運用商品からどれを選択し、どのように組み合わせるかを決めることはむずかしい。
資産運用会社は投資家のニーズを潜在的なものも含めて把握することが重要である。 求められるリスクリターン特性に合致するポートフォリオを、最良の運用商品の組合せによって構築してゆくことが望ましく、一連のプロセスが顧客の納得感を醸成するのである。
コンサルティングにより顧客のニーズ問題意識を正確に把握し、次にこれを解決するソリューションポートフォリオを提供するという「運用コンサルティング+マルチプロダクト」をキーワードとする資産運用会社の事業戦略を紹介している。 ソリューションポートフォリオの提供にあたって、いまやオルタナティプ投資はなくてはならない運用商品になりつつある。
というのは、「囲内債券の金利上昇懸念」、「内外株式のドぶれ懸念」といった伝統的資産をめぐる不安定要因が増大しているなかで、伝統的資産とはほぼ無関係にリターンを獲得できるオルタナティプ投資は、投資家の全体ポートフォリオのパフォーマンス向上に必須の運用商品になりつつあるからである。 問題解決(プロブレムソルビイング)機能を最優先し、他社の商品(アウトソーシングプロダクト)を活用するケースがあってもよく、事業基盤を開放し内外のプロダクトを呼び込むオープンプラットフォーム型の運営は、今後の運用会社の一つのあり方だと考えている。
というのは、オルタナティプ投資を含め多様化する運用商品を投資家ニーズに最も適した組合せで提供するためには、コンサルティング機能をもち、マニュファクチャリング機能(自社プロダクトの製造)と同時にディストリビューション機能(アウトソーシングも含めたさまざまなプロダクトの提供)を保持し、一つの会社であらゆるサービスを受けられるワンストップショッピング型のサービスを提供することが求められるからである。 そのインフラを確立した運用会社で投信の窓販、日本版401kプラン、確定給付型年金、プライベートバンクというさまざまなスキームを通じ、個人(リテール富裕層)や機関投資家にアクセスし、同一のコンセプトをもったサービスをさまざまなバリエーションで提供することが可能となる。

考えからS信託銀行では、コンサルティング機能マニュファクチャリング機能ディストリビ、ユーション機能を三位一体として運営する総合運用サービス提供機関を目指し、伝統的資産運用を補完するヘッジファンド、不動産証券化商品あるいはプライベートエクイティといったオルタナティプ商品のマニュファクチャリング機能の強化はもちろんのこと、ディストリビューション機能の強化にも注力しており、弊社のディストリビューション機能強化の一端をご理解いただければ幸いである。 現在は運用難の時代であり、投資家にとっては「超低金利状態の長期化」、「株式マーケットの下落」、「相次ぐ金融機関および一般事業会社の破綻による信用リスクの顕在化」という三重苦ともいえる運用環境であり、資産運用業界に身を置くものにとってある種の閉塞感を感じる状況である。
そもそも、株式債券といった伝統的資産における資産運用は、市場全体の上げ下げへの追随度、勝ち負けを運用パフォーマンス判定基準とする「対ベンチマーク運用」が主流であり、投資ファンドのリターンの方向性は、市場量差はインデックス±αの部分にとどまりがちである。 グローバルマーケットを牽引してきた米国株式の右肩上り相場の崩壊により、世界的に弱気相場の見通しが支配的となりつつある相場環境のもとでは、いかに優秀なファンドマネージャーであっても活躍の場は限られている。
未公開株ファンドあるいは石油天然ガス森林といった天然資源などのオルタナティプアセット(代替資産)と、株式債券という伝統的資産を対象としながらも投資手法が従来とは異なるオルタナティプストラテジー(代替投資)があるが、本書ではオルタナティプストラテジーであるヘッジファンドをメインテーマとした。 ヘッジファンドをメインテーマとして取り上げた理由は2点あり、プラスのリターンである絶対リターンの獲得を目指せる商品特性があり、運用難の時代にマッチした運用商品であるからである。
投機的でうさんくさいイメージのあったヘッジファンドがディスクロージャー(情報開示)の進展とともに、むしろ一般的にイメージされるよりも安全かつ合理的な側面をもっていることを理解してもらえればと思ったことである。 ヘッジファンドが必ずしもうさんくさいものではなく絶対リターンを獲得できることについて合理的裏付があることへの理解が進むにつれて、欧米においても個人富裕層より保守的傾向のある機関投資家がヘッジファンドへの取組み姿勢を積極化しつつある。
方で、ヘッジファンドが絶対リターンを獲得できるのは、市場性リスクを抑えたスキルベースの運用だからであり、それゆえに運用機関の力量の違いによるパフォーマンスのばらつきが伝統的資産とは比較にならないくらい大きく、思わぬリスクを負うことがある。 投資ファンドを選択する際には、ユーディリジェンス(詳細調査)を行うなどの慎重な対応が必要であることも事実である。
オルタナティプ投資は、株式債券といった伝統的資産と低相関であり、分散投資効果を向上させ相場の下ぶれリスクを抑えることができ、同時に高テイブアセット(代替資産)と、株式や債券などの伝統的資産ではあるが投資手法が従来とは異なるオルタナティプストラテジー(代替投資)の2種類に大別される。 オルタナティプアセット(代替資産)としてはベンチャーキャピタルの出資、メザニンファンド(非公開企業の優先株や劣後債への投資)といったプライベートエクイティ(未公開株ファンド)、および石油天然ガス森林等の天然資源があげられ、オルタナティプストラテジー(代替投資)としてはヘッジファンドやマネージドフューチャーズがあげられる。
資産運用ビジネス先進国である米国における投資家のセグメントは、機関投資家(インステイテューショナル)、個人(リテール)、富裕層(ハイキットワース)の三つに分類される。 機関投資家のなかでも高度なレベルでの受託者責任が求められ最も洗練された投資家といわれる年金基金においては、これまでベンチャーキャピタル等のプライベートエクイティへの取組みは本格化しつつあったものの、ヘッジファンドはほとんど顧みられることはなかった。

米国株式の右肩上がりの相場のもとでは、株式以上のリターンが期待できるプライベートエクイティが選好され、どちらかといえば弱気相場における相場のぶれ時に強みを発揮する。

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